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過去に遡って、少しずつ、書いていきたいと思います。


結婚後、主人は毎日とても忙しく、出張もありましたが、浮気を疑ったことはありませんでした。 

朝は六時前に出て行きます。
帰りは深夜。

私は妊娠後、仕事をやめ、出産、子育て。
初めてのことだらけで、不安だらけでした。
日々働いてくれる主人に感謝していましたが、なかなか一緒にいられない時間は寂しくもありました。

主人は、仕事とは別に、友人から誘われ、飲みに行くこともあります。
土日に、私たちを置いて、遊びに行くこともあります。

まだ私たちのまわりは誰も結婚しておらず、二十代半ばでは遊びたい盛りだったのでしょう。
いまなら納得もできますが、当時の私には、辛かった。
私だけ何もかも奪われたようなやるせなさを感じるときもありました。

でも、主人を愛していたし、生まれた子供はとてもかわいかった。
幸せでした。



私はあまり身体が丈夫ではありません。
熱を出して倒れるようなことがたびたびありました。
幸い、どちらの実家も近く、主人抜きで義実家のお世話になったり、実家の両親に頼ったりしていました。

すっかり高熱が続き、家事ができなくなり、一度、実家に二日間泊まったことがあります。
突然のことだったので、主人の食事など用意出来るはずもなく、困っているかな、怒っているかな。
もしかして、心配してくれてるかな。
そんなことを思いましたが、今日明日は実家に泊まるよというメールに対する返信は、とてもそっけないものでした。
あとから聞きましたが、このとき主人は、自分の不倫がバレたのではないかと思ったのだそうです。


それからほどなくして、子供が1歳のとき、写真を撮ろうと主人のカメラを触ったら、知らない女性の写真が出てきました。

仲良くデートしているのでしょう。
女性の、怒った顔、笑った顔、色々な表情が、色々な場所で写っています。
主人の同僚の、独身の女性でした。


証拠を集めようとか、慰謝料をとろうとか、ゆくゆくは離婚とか、当時の私はまったくの無知で、なにも考えず、その日の晩に問い詰めました。


ときどきデートをしているのだと、認めました。
でも身体の関係はないといわれたときに、なにをいっているのだろうこの人は、と思いました。
そんなことを信じるとでも思っているのでしょうか。
そうか、ならいいよね、となるとでも思ったのでしょうか。

子供じゃあるまいし。そんなことをいわれてもどうしようもないのに。
そもそもそんなことを問題にしていないのに。
問題は、あなたの心がもうここにない、それを知ってしまったことなのに。


彼女は、私の見知った人でした。
主人にとっては誤算でしょうが、名前も、連絡先もわかりました。

とにかく相手に連絡をするという私に、主人はよくわからないいいわけを始めました。


実は浮気はこれが初めてではない。
結婚前から何度も何度もしている。
写真のこいつとは浅いつきあいで、彼女は家庭を壊すつもりはないといっている。
本命というか、もっと昔からずっと関係のある女性は他にいる。
だからこいつに電話をするのは的外れだ。
子供が生まれてからは、さすがに身体の関係を持つのはやめた。
俺だっていい父親になろうとしていた。
俺は最低なやつだ。
でも頑張っていたんだ。


混乱しました。
でもこのときは、まだ好きでした。
泣いて泣いて、泣きながら、離婚したいのかと聞きました。
子供はどうするのかと。

そうだねと、主人は答えました。
離婚しようか。
子供も小さいし、するなら今のうちだよね。
僕は君にふさわしくないよ。


私は泣きました。
でも、まだ好きでした。
離婚したくありませんでした。
父親のことが大好きな子から、父親を奪いたくありませんでした。


多分、期待していたんだと思います。


ゴメンデキゴコロだったんだ。
リコンナンテシタクナイ。
アイシテルノハキミダケダヨ。


私はあまりにも馬鹿で、コドモでした。